生化学研究室 Laboratory of biochemistry
細胞内の物流システムを理解する
細胞内の物流システムを理解する
研究室概要
当研究室では,寄生原虫Trypanosoma bruceiと神経細胞を用いて,糖タンパク質や脂質を細胞内で選別・輸送する物流システムの解明などに取り組んでいます。真核細胞の内部には膜で仕切られたオルガネラが存在し,それらの間で糖タンパク質や脂質のやり取りが巧妙に制御されています。この制御を明らかにすることが生命現象への深い理解をもたらし,疾患の新しい治療法の開発につながると期待しています。
スタッフ
研究
研究テーマ
- アフリカトリパノソーマにおける糖鎖機能の解明
- 細胞内でのタンパク質及び脂質の選別輸送メカニズムの解明
- 抗トリパノソーマ作用を示す天然物の探索
- 遺伝子改変による有用細胞の開発
主要論文
- M. Nakanishi, M. Takeguchi, R. Takezaki, M. Hino, H. Nomoto.
Loss of complex-type N-linked glycans attenuates maximum cell density and susceptibility to human serum of Trypanosoma brucei brucei.
Parasitol. Int., 101, 102874 (2024).
- M. Hino, M. Nakanishi, H. Nomoto.
The expression system affects the binding affinity between p75NTR and proNGF.
Biochem. Biophys. Rep., 38, 101702 (2024).
- M. Nakanishi, M. Hino, H. Nomoto.
Trypanosoma bruceiproliferates normally even after losing all S-adenosylhomocysteine hydrolase genes.
Biochem. Biophys. Res. Commun., 686, 149152 (2023).
- C. Nihei, M. Nakanishi.
Cargo selection in the early secretory pathway of African trypanosomes.
Parasitol. Int., 84, 102379 (2021).
教育
主な担当科目
細胞生物学(細胞と生物)、 代謝と病気、 免疫と病気、 生化学実習、 卒論研究
講義・実習概要
生物は驚くべき多様性を示し,地球上のほとんどの環境に適応して生存しています。一方で,生物を構成する分子から眺めると,これら多様な生物の多くが共通の生化学反応に基づいて生命を維持していることが分かります。生化学研究室が担当する講義では,ヒトを構成する生体分子の相互変換やエネルギーの取り出し方,免疫システムについて学んでもらいます。薬は生体分子のミミックであるため,薬学を修めるには生体分子に関する知識が必須です。